専門医が解説!健康診断のどこをチェックすべき? 生活習慣病リスクを見極める方法
健康診断は、自分の体の状態を知るための大切な機会です。
しかし、結果を受け取っても「どこをどう見ればいいのかわからない」「異常があってもどう対処すればいいの?」と戸惑う人も多いのではないでしょうか。特に生活習慣病は、初期の段階では自覚症状がほとんどなく、健康診断をきっかけに発見されるケースが多い疾患です。そのため、結果の数値を正しく理解し、必要な対策を講じることが何より重要です。
私は、消化器内科専門医として多くの患者さんと向き合ってきました。その中で、「もっと早く生活習慣を見直していれば、病気を防げたのに」と思うケースも少なくありません。今回は、健康診断で特に注目すべきポイントと、生活習慣病のリスクを見極める方法について詳しく解説していきます。
生活習慣病とは?なぜ注意が必要なのか
生活習慣病とは、その名のとおり、日々の生活習慣が大きく関与する病気のことを指します。代表的なものには、高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満、脂肪肝、痛風などがあります。これらの病気は、長年の不適切な生活習慣の積み重ねによって発症し、放置すると動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞、慢性腎臓病(CKD)、肝硬変などの重大な疾患につながる可能性があります。
特に恐ろしいのは、生活習慣病の多くが初期にはほとんど症状がないという点です。
例えば、糖尿病の初期段階では「なんとなくだるい」「喉が渇きやすい」といった症状しか感じないことが多く、気づかないうちに進行してしまいます。
高血圧に至っては、かなり進行しない限り自覚症状がほぼなく、「健康診断で指摘されたけど放置してしまった」というケースが後を絶ちません。
しかし、健康診断での血液検査や血圧測定、尿検査などをしっかりチェックすることで、生活習慣病のリスクを早期に把握することができます。定期的に健康診断を受け、自分の体の状態を確認することが、将来の大きな病気を防ぐ第一歩となります。
健康診断で注目すべき数値とその意味
健康診断の結果を受け取ったとき、「A判定だから大丈夫」「C判定だけど、そこまで気にしなくてもいいかな」と安易に判断していませんか?
健康診断の結果を適切に理解することは、病気のリスクを正しく把握し、必要な対策を講じるために非常に重要です。ここでは、特に生活習慣病と深く関係する主要な項目について詳しく解説していきます。
血圧(高血圧のリスク)
健康診断では、収縮期血圧(上の血圧)と拡張期血圧(下の血圧)の2つの数値が測定されます。高血圧は血管に大きな負担をかけ、心臓病や脳卒中のリスクを高めるため、非常に重要な指標です。
理想的な血圧は、収縮期血圧120mmHg未満、拡張期血圧80mmHg未満とされています。しかし、日本人の多くは加齢とともに血圧が上がりやすく、135/85mmHgを超えると高血圧予備軍、140/90mmHgを超えると高血圧と診断されることが多いです。
塩分の多い食事を好む方、運動不足の方、ストレスが多い方は、特に注意が必要です。
血糖値(糖尿病のリスク)
血糖値は、糖尿病の早期発見に欠かせない項目です。空腹時血糖が99mg/dL以下であれば正常範囲内ですが、100mg/dLを超えると「境界型糖尿病(糖尿病予備軍)」の可能性があり、126mg/dLを超えると糖尿病の診断基準に達します。
また、最近ではHbA1c(ヘモグロビンA1c)も重要視されています。
これは過去1〜2か月の血糖の平均値を示す指標で、5.5%以下が正常範囲ですが、5.6%以上になると糖尿病のリスクが高まります。
糖尿病は、腎臓や神経、眼などに大きなダメージを与える病気です。食事や運動の習慣を見直し、早めの対策を心がけましょう。
生活習慣病で気をつけるべき項目と数値
項目 |
基準値 |
異常値の目安 |
リスク・注意点 |
血圧 (高血圧のチェック) |
収縮期血圧(上)120mmHg未満、拡張期血圧(下)80mmHg未満 |
135/85mmHg以上:高血圧予備軍 |
高血圧は血管に負担をかけ、脳卒中や心臓病のリスクを高める。家族に高血圧の人がいる場合は注意。 |
血糖値 (糖尿病のチェック) |
空腹時血糖99mg/dL以下 |
空腹時血糖100~125mg/dL、HbA1c5.6~6.4%:糖尿病予備軍 |
糖尿病が進行すると、腎障害、網膜症、神経障害などの合併症を引き起こす。早めの対応が必要。 |
脂質 (脂質異常症のチェック) |
LDL(悪玉)コレステロール120mg/dL未満 |
LDL140mg/dL以上、HDL40mg/dL未満、TG150mg/dL以上は脂質異常症の可能性 |
脂質異常症は動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高める。 |
肝機能 (脂肪肝のチェック) |
AST(GOT)、ALT(GPT):30U/L以下 |
AST、ALT40U/L以上あるいはγ-GTP100U/L以上:アルコール多飲や体重増加などによる脂肪肝のうたがい |
脂肪肝を放置すると、肝硬変や肝がんのリスクが高まる。 |
尿酸値 (痛風のチェック) |
7.0mg/dL未満 |
7.0mg/dL以上:痛風や腎機能障害のリスク |
尿酸値が高いと、痛風発作や腎結石を引き起こす可能性がある。 |
生活習慣のセルフチェック
健康診断の結果と併せて、日頃の生活習慣を見直すことが重要です。以下の項目に当てはまるものが多い場合は、生活習慣病のリスクが高い可能性があります。
食生活のチェック
□ 外食やコンビニ食が多い
□ 野菜や果物をあまり食べない
□ 塩分の多い食品(ラーメン、漬物、加工食品)をよく摂る
□ 揚げ物や脂っこい料理を好む
□ 甘い飲み物(ジュース、砂糖入りコーヒー)をよく飲む
対策:バランスの取れた食事を意識し、野菜・魚・豆類を積極的に摂る。
運動習慣のチェック
□ 1日に30分以上の運動をしていない
□ デスクワーク中心で、ほとんど歩かない
□ 階段よりエスカレーター・エレベーターを使うことが多い
□ 休日も家で過ごすことが多い
対策:週に3回以上のウォーキングや軽い筋トレを取り入れる。
睡眠・ストレスのチェック
□ 毎日6時間未満の睡眠しかとれていない
□ 寝る直前までスマホやテレビを見ている
□ ストレスが多く、イライラしやすい
□ 仕事や家庭の悩みが多い
対策:睡眠の質を向上させるため、就寝前のスマホ使用を控える。ストレス解消法を見つける。
西日暮里周辺で健康診断を受けるなら?
東京都荒川区の西日暮里エリアには、健康診断を受けられるクリニックが多く存在します。地域のクリニックを活用し、定期的な健康チェックを行うことが大切です。
西日暮里駅近くの「西にっぽり内科消化器クリニック」では、生活習慣病の予防や診断に力を入れています。
特に、消化器内科の専門医が診察を行い、健康診断の結果をもとに適切なアドバイスを提供しているのが特徴です。健康診断で異常が見つかった際には、すぐにフォローアップ検査を受けることができるため、安心して健康管理を進めることができます。
生活習慣病は、放置すると重大な疾患につながる可能性がありますが、健康診断を活用することで早期発見・早期対策が可能です。結果を見て終わりにせず、異常があれば積極的に生活改善に取り組むことが大切です。
西日暮里エリアにお住まいの方は、「西にっぽり内科消化器クリニック」で健康診断を受け、自分の健康状態をチェックしてみましょう。 定期的な検査と適切な生活習慣の改善によって、健康的な未来を手に入れましょう!
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